市川海老蔵さんの舞台『古典への誘い』(愛知県豊橋市)
市川海老蔵さんの舞台、一度観てみたいなぁと思いながらなかなか機会がなかったのですが、なんと穂の国とよはし劇術劇場プラットで公演があるという事で母を誘っていそいそと出かけて来ました。
プラットは客席数が800弱で演劇専門のホール。
どの席もとても舞台から近くて残響時間も空席時1.2秒(短いのです。)と演劇向けで、大都市の大きな多目的ホールで観るより満足度が高いと私は思っています。
演目も豊橋市だからと言って侮るなかれ。
結構おもしろいものがちょこちょこ来るので、よくチェックをしています。
舞台芸術のチカラを人に、まちに。穂の国とよはし芸術劇場プラット
さて、歌舞伎はあまり親しみがないので内容を事前にネットでチェックしてから向かいました。
でも『古典への誘い』という表現からもわかるようにかなり歌舞伎初心者向けに考えてあるようで、舞台が始まる前に演目の内容や歌舞伎の歴史、舞台装置の簡単な説明などをしてくれる時間があり、とてもわかりやすかったです!
演目は以下の2つ。
“身替座禅(みがわりざぜん)”
明治期に作られた演目だそうです。
奥方の玉の井の目を盗んで恋人花子との逢瀬を叶えようと考えた山蔭右京は、持仏堂に籠って座禅をすると言い立て、太郎冠者を身替りとして衾(ふすま。昔の身体の上にかける寝具だそうです。)を被せて出かけて行きます。
しかし、すぐに玉の井の知るところとなり、太郎冠者の替わりに衾を被った玉の井は夫の帰りを待ちます。
一方、花子との逢瀬を叶えて戻った右京は逢瀬の様子を語った上、衾を取り払います。
そして、恐ろしい形相の玉の井を見て逃げ出す右京をどこまでも追っていく玉の井でした。
基本的には玉の井がちょっと怖いのですが、右京のことを好きで好きでたまらない思いが伝わってきて、悔しくてわんわん泣くシーンなど可愛くて…(片岡市蔵さんという役者さんでした。ファンになってしまいそう!)
そして海老蔵さん演じる右京の目つき!(笑)
目つきだけでも感情がここまで表現できるものなのね。
ものすごく笑いすぎて、お腹の子も楽しんでる?!というくらいよく動いていました。
もちろん所作もとても綺麗で惚れ惚れ〜。
“男伊達花廓(おとこだてはなのよしわら)”
こちらは創作ものとの事。
御所五郎蔵は江戸一番の伊達男。侠気溢れる粋な男振りの五郎蔵が向かうのは、大勢の客でにぎわう吉原仲之町。
五郎蔵がこの廓へやって来たのは、恋人の傾城から文が届いたゆえ。
その傾城との馴れ初めをはじめ、折々に交わす逢瀬の様子を踊りに託して見せて行く五郎蔵。
折からそこへ現れたのは五郎蔵に遺恨を抱く男伊達たち。
五郎蔵の隙を衝いて打ちかかる男伊達たちでしたが、五郎蔵はこれを難なく退け、恋人の許へと向かうのでした。
踊りがメインで、アクロバティックな動きも多くて魅入ってしまいました。
江戸っ子カッコいい!
冒頭で、2人の違った男の色気をお楽しみください、と説明がありましたが、本当に全く違う役柄でおもしろかったです。
残念だったのは、途中の長唄の内容等が理解できなかった事。
母が、行く度にパンフレット等を購入して読むようにしていればそのうちわかるようになってくるわよ、と買ってくれたのでこれをとりあえず読んでお勉強します!
こちらのオリジナルお干菓子をつまみつつ楽しくね♪
歌舞伎ってもっと取っつき難いのかという想像を取っ払ってくれて、本当にとても楽しめました。
また観たいなぁ♪